ananxxxのJUNK STORY

勉強していること、気になったことを書きます。ガラクタのような文章が、誰かの心に届き、共有できると嬉しいです。

お金をかけない読書の仕方

 

 先日、EC大手のアマゾン・ストアが国内での電子書籍の販売を解禁した。キンドル端末の発売とキンドル・ストアがオープン。電子書籍端末はすでに、シャープやソニー等の国内メーカーが先手を打って発売をさせてきたが、今年に入って、楽天のKobo、アップルのiPad Miniといった電子書籍端末の発売が相次ぎ、このキンドルの発売によって、いよいよ電子書籍元年の幕開けとなった。読みたい時に、読みたい本をいつでも、どこでも、持ち歩いていたい願望が強い私にとり、キンドルは革命的な商品の登場であり、お金に余裕ができたらぜひとも購入を検討したい。

 それから、ちょうど今週は、毎年恒例の神保町の古本祭りが開催された。私はあてもなくぶらぶらと、ときには気になった本を手にとりながら、出店(でみせ)を回っていた。古本の持つ独特の味わいに高揚しつつも、電子書籍の登場によって確実に衰退の一途を辿るであろう、この古本市場の趨勢に哀愁を帯び、なんだか複雑な思いに耽ってしまった。そんなこんなで今週はとにかく、本と自分についてさまざまな思いを巡らせた。今回は、僕が日ごろ実践している「お金をあまりかけない読書の仕方」を紹介する。 

・お金をあまりかけない読書の仕方

 情報には価値がある。価値があるから、その質や量によって価値が異なってくる。一般的に価値の高い情報であるほど、値段は高くなる。当たり前のことだ。一方で、学生は貧乏である。貧乏であるが、知識に貪欲だ。僕もそんな人間の一人だ。そこで、いかにして、安く、質の高い情報を獲得できるのかを常に考えている。そういう意味で、読書は僕に質の高い情報を与えてくれる。読書とは、書き手と読み手の間での対話であり、読み手がそこへ費やした思考力から得る情報量は、質が高いからだ。その質の高い情報を提供してくれる書籍を、いかにして安く手にいれられるかが貧乏学生にとって死活的に重要なことだ。安ければ、安いほど費用帯効果が高い。そういう意味で本を無料で読めることほど、幸せなことは無いのだ。私が無料で本を読む方法は三つある。そして、この三つのプロセスを経て、有料で本を読む方法にたどり着く。ここでは、その詳細を説明する。

①無料の読書

(1)大学図書館を利用する。

大学図書館の蔵書は専門書から、ビジネス書までさまざまなジャンルだ。特に専門書の類が多いので、そうした本を読みたい人にはオススメ。ちなみに私の場合、経済や政治、外交、脳科学といったジャンルの専門書や新書を借りるケースが多い。図書館で本を借りるメリットは単に、コストのメリットだけでなく、自分の部屋に荷物を増やさないというメリットもある。まるで自分の家の本棚であるかのように、借りたい時に、いつでもアクセスできるところが、僕にとって利便性に富んでいるのだ。また、もし図書館に蔵書が無かった場合、購入依頼を申請することもできる。僕は自分の大学でこの制度をしばしば利用するが、ほぼ100パーセント申請が通っている。せっかく高い学費を払っている(払って貰っている)のだから、こうした制度を存分に使っておくとよいのかもしれない。

(2)インターネットを利用する。

気になった本は、まず書評をチェックする。アマゾンやグーグル検索を使った、個人ブログの書評、またアゴラのようなブログまとめサイトを利用してもよいだろう。こうした書評を読めば、だいたいその本に書かれているエッセンスをつかむことができる。それで満足すれば、本をわざわざ購入する必要は無いし、費用対高価抜群だ。私が特にオススメするのが、ダイヤモンド・オンラインや東洋経済オンライン、現代ビジネス・オンラインといった雑誌系のWEBサイトである。これらの媒体は、雑誌だけではなく、ビジネス書を中心とした書籍を販売していることが多い。そのため、しばしばオンライン上で販売促進として、話題本の特集が組まれることがある。最近だと、「市場主義3.0」や「リバース・イノベーション」などがそうだ。こうした特集は連載で公表されるため、ボリュームが多く、なんだか得した気分になれる。私にとりビジネス書は流行り本だと考えるので、こうしたジャンルでは、要点を得られればそれで良いと考える。ビジネス書や政治や経済の軽い読み物程度の本であれば、こうしたサイトを利用されることをオススメする。

(3)本屋で立ち読みをする。

インターネットで気になった本について調べていき、要点は得たものの、やっぱり現物を手にとって確かめたい。図書館で蔵書を探したけど、見つからなかった。そんなとき、オススメなのが本屋で立ち読みすることだ。僕の場合、長いときだと2時間以上、本屋で立ち読みを続けるときがある。(本屋の方には迷惑を掛けているかもしれない。ごめんなさい。しかし、だいたいそういう時は、その書店で本をどっさり購入することを予め計画したうえで、その常識の範囲内で行なっている。決して、ドヤ顔するつもりはない。)特に、ビジネス書や啓発書、話題書は内容が薄いので、パラパラとめくっていれば、だいたい要点はつかめてしまう。装丁が綺麗な、話題本に迂闊にダマされないよう、内容を精査したうえで、購入を検討することが大切だ。(最近のビジネス書はなんと、この手の本が多いことやら…。)

②有料の読書

 無料の読書を検討した結果、「所有したい」という思いに結びついたとき、有料の読書は成立する。私の場合、多くが政治や経済の専門書や哲学、脳科学、量子論の啓蒙書といったジャンルに集中する。この本とは長くお付き合いすることになりそうだと思った本には、惜しみなくお金を使いましょう。

 

 いかがでしたでしょうか。僕はこの文章で、無料の読書の仕方を中心に論を広げてきた。金欠学生である自分の些細な実践を、同じ状況にある人々へ向けて、小さな武器を配ったつもりだ。この文章を読んで、費用対効果の高い読書の仕方を習得し、良書へお金を投資できる好循環ができれば、結果として書籍市場は活性化し、豊かな人間を創りだすことができる。そんな拡大妄想に笑みを浮かべつつ、この拙い文章を締めたいと思う。

 

 キンドル:電子出版マーケティング